夫と結婚した理由は早く家を出たかったという部分も少なからずありました。
休職で家に私がいるという状態を世間体が悪いと考えたためか、当初、結婚に対する両親の反対は思いのほか小さく拍子抜けしたのを覚えています。

夫は研究職で教員ではないのですがおっとりとした性格で両親とは全く違うタイプでした。
こうして外の世界に触れて少しずつ今までの常識が崩れていきました。

それでも当初は親と縁を切るなんて考えられませんでした。
育ててくれた両親を疎ましく思う度に、罪悪感が芽生えるのでした。

しかし、夫と過ごし子供を授かって生活するうちに、変わっていきました。
ある日夫に子供のころ叱られ田エピソードを話していたら、「ひどい。それは虐待を受だよ」と、言われました。
その言葉がなぜかその時には抵抗なくすっと入ってきたのです。

思い返してみれば叱られた理由もそれに対する罰もどこかおかしいし、性的なニュアンスさえ感じてしまい、
私を罰することでストレスを発散していたのではないかと思えるようになりました。
そんな気付きがあってようやく、距離を置くということができるようになったのです。

ただ、家庭という狭い世界では親がおかしいということになかなか気づくこともできませんでした。
未だに罪悪感に苛まれますが、自分の子供には同じ思いをさせてはいけないと思っています。