教員免許更新制廃止の背景 退職者教員の供給に問題か 多忙な現場の負担を軽減へhttps://www.zakzak.co.jp/soc/news/210828/dom2108280004-n1.html

 文部科学省は、教員免許更新制を廃止することを決めた。
更新制のあり方を議論する中央教育審議会の小委員会に同省が「発展的に解消する」との審議まとめ案を提示し、
更新制で行われた講習を踏まえ、時代の変化に対応できる新たな教員の学びの場を構築していくという。

(略)日本でも米国を例として教員免許更新制が導入されたが、今になって廃止になったのはなぜだろうか。

 現場の教員から「廃止すべきだ。意義を感じない」と感じる意見が多く上がっていた。

 そうした声のほか、切実になったのが教員不足だった。新規採用教員では人数不足なので、退職者教員を活用してやり繰りしているところが多い。

 ところが、教員免許更新制度があると、更新対象となる退職者の教員免許の多くが失効していくという現実問題に直面している。
つまり、非常勤教員の需要はかなりあるものの、その主要な供給源は退職者教員に依存しており、それが失われるわけだ。
率直にいえば、頼まれて非常勤教員として残ることになったのに、自分でお金と時間を使ってまで必要な講習を受けたくないという教員が多いのだ。

(略)
 文科省は、現場の教員が多忙で過酷な労働をしていることを認めて、こうした声に応え、その救済のために動いたのが今回の教員免許更新制の廃止の背景だろう。

 米国型から英仏独型に変更することになるが、定期的な講習の重要性は変わらない。そのため、講習は免許更新という理由ではなく、現場教員の負担を軽くする方向で国主導で行われるだろう。