都教委 4校廃止を決定 「夜間定時制は学びの安全網」 代替に疑問も 
東京都立高校の夜間定時制四校を削減する計画案が、十二日の都教育委員会で決定された。
早ければ二〇一八年度から入学生の募集停止が始まる。
都教委は不登校経験者らが学び直す単位制の定時制高校「チャレンジスクール」の増設などで受け皿を確保する方針だが、
夜間定時制の卒業生らは「多様な生徒が学んでいる夜間定時制を代替できない」と撤回を求めている。 

廃止対象となった品川区の小山台高校の夜間定時制。
今月三日、全日制と入れ替わりに夕方の五時半から授業が始まり、授業が進むうちに外は真っ暗になった。
大野哲也副校長は「全日制に通えなかったり高校を中退した生徒のほか、年配の社会人ら多様な人が通っている」と話す。

 「勉強して大学に進みたい。夜間定時制が、あってよかった」

中学一年に不登校になった男子生徒(16)は昨年四月、立川高校の夜間定時制に入った。
不登校経験者や高校中退者向けのチャレンジスクールは応募倍率が高いため、受験をあきらめた。
母子家庭で、私立高校に行く経済的な余裕もない。
夜間定時制では中学の内容から学び直し、先生に何でも質問できる雰囲気が気に入っているという。

区立の夜間中学に通っているネパール人男性(19)は今春、夜間定時制を受験するつもりだ。日本で働く父親と二年前に来日。
日常会話には困らなくなったが、漢字の読み書きは難しく、全日制は言葉の違いによる壁が高くて断念した。
「夜間定時制で学んで、コンピューターエンジニアになりたい」と夢を抱く。

夜間定時制の卒業生や元教員らでつくる「都立高校のいまを考える全都連絡会」などは、
「チャレンジスクールは夜間定時制の代替にならない」として、
これまでに一万二千人分を超える反対署名を都教委に提出、十二日にもあらためて決定の撤回を求めた。

チャレンジスクールは、夜間定時制と同じ定時制高校で、現在五校あるが、一五年度の平均応募倍率は一・六六倍で、全日制の一・五〇倍よりも高い。



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