転がり落ちた力士を肩でかわしつつ横目をやったふんたの首筋
衣紋を抜かなくても十分な色気
俺はふんたの首も好きだ
たくまし過ぎず、病的に細くもなく
うっすら透ける青い糸を目印に、薄い皮膚へ歯を立てたい
ずっと傷痕が残るくらい強く
両手を顎に添えて、両指から拍動を感じたい
一旦激しくなったそれが少しずつ弱まっていくまで
二者択一の願いはどちらも叶えることが許されない
それならば
左耳の下から続く黒子の星座に、そっと舌を這わせるだけでいい
喉の震えが押し出した声を一番近くで聞けるから