ブエルタにまた新たな激坂が登場する。地元では「エスピナ(スピン)峠」と呼ばれ、開催主が「地獄」「受難の道」「審判の地」と恐ろしい冠詞を並べ立てる超級ロス・マチュコスが、道の果てで手招きしている。

「スピン」とあだ名されるほど曲がりくねった山道に、一歩踏み入った瞬間、地獄へ突き落とされる。いきなり17.5%ゾーンが待ち構えているのだ!
つまり全長7.9km、平均勾配8.7%というのは偽りの数字でしかない。しかもそこから3kmに渡って、まるで嫌がらせのように、下りと激勾配が繰り返される。
17.5%→−10%→26%→−1.7%→25%→−7.5%という風に。
細かい変化の連続で鞭打たれた脚を、続いて約3.5kmに渡って、激勾配ゾーンが締め上げる。勾配は決して10%を下回ることはなく、最大15%まで跳ね上がる。
ラスト1kmでようやくすべての難所から解放される。あとはフィニッシュまで緩やかな下りと平坦しか残っていない。もしも後方に十分な差をつけられていたら、襟を正す時間もあるだろう。
しかし、いまだにもつれていたら……ラインを越えるその瞬間まで、死闘は続くのだ。

うーん、堂々たる勾配詐欺w