保護猫を守る別府市の旅館ピンチ 客減り74匹の餌代捻出困難、支援呼び掛け

猫と触れ合える別府市浜脇の「新玉(あらたま)旅館」が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で窮地に立たされている。
4代目おかみの後藤藤恵さん(59)は保護猫の命を守るために旅館を続けてきたが、客の激減によって
餌代や医療費を捻出することが難しくなってきた。猫たちを救おうと、後藤さんや支援者が寄付を募るなど協力を呼び掛けている。

後藤さんは野良猫の保護をきっかけに、長年にわたって保護猫や地域のルールに基づいて飼育管理する地域猫を守る活動を続けている。
旅館は約100年続く老舗だが、客の減少などで一時は廃業寸前に。
そんな中、客をマッサージする保護猫「ミルク」が“看板猫”として有名になったことで客足が回復、何とか経営を持ち直した。
しかし、コロナ禍によって多くの旅館・ホテルと同様、休業を余儀なくされた。営業再開に当たって、館内は衛生管理を徹底。
猫と客が直接触れ合わないように、アクリル板を設置するなど改装もした。

現在、旅館で飼う保護猫は74匹。保護猫を押し付けたり、旅館の敷地内に捨てていくなど心ない人たちの行動に
不信感を抱きつつも、「殺処分されてしまう猫の命を救わなければ」という一心で、愛情深く育てている。
里親を探すための譲渡会なども開くが、病気や高齢のため里親が見つからない猫たちは、後藤さんの元に残っている。
 
ワクチン接種や不妊・去勢手術、医療費の負担も大きい。どれだけ節約しても、餌代や冷暖房などの光熱費を含めると毎月約70万円は必要という。

旅館の窮地を救おうと市内の愛猫家らが立ち上がり、インターネットで支援を募るクラウドファンディングも始まった。
後藤さんは「猫のおかげで持ち直し、いつしか猫を食べさせていくための旅館経営になった。
猫たちが健康で長生きできるよう、何とかしたい」と話している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/17c5fbc27d6bfa596f1bf92419dddf1506050f59
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2020/08/23/JD0059498306
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