慰安婦は「ただの売春婦」という暴論は「だから自己責任」「従って日本政府=国に責任ない」という結論に議論を誘導する。自己責任論は「日本政府=国に責任ない論」。
なぜ一国民なのに政府目線で語るのか。自分を個人と思う人には理解できないが、自分を国と一体化した思考の人間にはむしろ自己防衛。

今の日本社会で、自分も一般市民なのに「政府による特定国民の切り捨て政策」を「自己責任論」で擁護する人間は、自分を国と一体化した思考の人間による「自己防衛」と考えれば理解しやすい。
国=自分なら、弱者救済に国が責任を負うという図式は自分にとっての負担であり、切り捨てれば気が楽になる。

自分を国と一体化する思考は、権威主義的な人間の典型的な特徴だが、他にも

【1】政府に刃向かう人間に「この国から出て行け」と言う
【2】外国人の行動はすべて「当該国全体の意思」として認識する
【3】国の名誉と自分の名誉を直結し、自国の不名誉な過去を消そうとする

等の特徴を有している。