【MEDIC SPACE】かばんくん国浪スレ1【第1期生】
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かばんくんとは無関係の小説を書いてみた。
2022年春。
パンデミックのため延期されていた東京オリンピック・パラリンピックは大成功を収め、それをきっかけに日本経済にも立ち直りの兆しが見え始めていた。
そんな春に、のどかな霞ヶ浦の畔の町で起きた哀しい事件について話そう。・
医師国家試験に三回不合格になった45歳の男が父親と甥を殺した。
この男は中高一貫校とはいえ二流でスパルタ教育だけが取り柄のつまらない学校を出た後、15年かけて医学部に入学し、9年もかけて卒業したのだった。
既に知識を吸収し、思考によりそれらを智慧に高める作業をするには歳を取り過ぎているだけでなく、努力が全く出来なくなっていたため、医師国家試験という合格率9割の試験に毎年不合格になっているのだった。
逃避のため、未来の妻とまで呼んで執着しているアイドルのグッズを抱きしめて自慰行為を繰り返す。
それを見咎めた両親や妹に対しては示威行為を繰り返す。
国立大学医学部を卒業していようと、医師になるための能力、殊に忍耐力に欠ける彼は単なる中年無職であり、能力がなく努力もしなかった自身の落ち度を棚上げして社会を怨んで反社会的行為を繰り返す氷河期無職の一人に過ぎなかった。 (繰り返すが、かばんくんとは全く無関係です)
この中年無職が妹の息子達、つまり甥達が五月蠅くて勉強できないから静かにさせろと老親と妹夫婦に迫ったのだ。
実際にはアイドルのコラージュ画像で自慰行為をするためであった。
今日のそれも、毎日繰り返される「自慰行為のための示威行為」の一つに過ぎないはずだった。
しかし、その日、中年無職は特にイキっていた。
そして、今日は老親も妹も極めて理知的な…無職中年に対しては冷淡な反応をとった。
目を真っ赤にして自室に消えた中年無職のその手には大学を厄介払い同然で卒業し、最初に国家試験に落ちた直後に買った、鋼製スタンディングデスクを抱えていた。
机の上に置く小さな机であり、書籍やパソコンのディスプレー等を置ける天台の高さをパンタグラフで変えられるスグレものである。
むろん、ものに罪はない。
中年無職は鬼の形相で甥達に飛びかかる。
「うるせえんだよ!」
「やめろ!」それを止めようと割って入った父親の左側頭にスタンディングデスクの角がめり込んだ。父親は卒倒して動かなくなった。その頭は既に三日月のように歪んでおり形の崩れた左の眼窩から眼球らしきものがこぼれていた。
返す刀で甥達を狙う。むやみに振り回したスタンディングデスクの打撃それぞれが甥2人のそれぞれ右胸部、左腹部にヒットした。
バットで打撃された硬球のように吹っ飛んだ。
さらにとどめを刺そうと振りかぶったところを妹の夫に足払いされ、妹と母親も一緒になって必死に取り押さえられる。 (同上)
頭部が潰れて元の半分になった父親の瞳孔は既に開ききっていていた。
もっとも右の眼しか眼としての体裁を保っていないが。
むろん、呼吸、心拍もがあるはずもない。
その場で妹の夫により死亡判定となった。
一方、胸を撃たれた甥は時々口から大量の血塊をゴボッと吐き出していたが、全身を痙攣させて静かになった。おそらく肺挫傷、血塊が気道を詰まらせたのだろう。
妹の夫は冷徹に1分間に100回の人工呼吸無しの心臓マッサージを開始した。
もう一回血塊をゴボッと吐きだし、胸郭が動き出した。
どこかの中年無職とは違い医師免許をストレートで取得した医師というのはこういうものなのだ。
腹を打たれた甥は顔面蒼白となり同じく心拍停止となった。脾破裂による腹腔内出血だろうか。急遽こちらは母親と妹が人工呼吸と心臓マッサージとを開始したが1分間に100回を維持できなかった
救急車が甥達を病院に運んだが、腹を打たれた甥は死亡が確認された。もう一人も意識は戻らない。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています