韓国国防相の更迭もありうるレーダー照射事件の報い
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181228-00055091-jbpressz-int&;p=2

2014年4月22日、中国青島で開かれた西太平洋海軍シンポジウムには河野克俊海上幕僚長(現・統合幕僚長)ら21カ国の海軍首脳が出席したが、
(1)レーダー照射、(2)砲身を向けた威嚇、(3)低空飛行による威嚇、の3項目の禁止で合意した。
韓国海軍も出席している。この合意事項は、南シナ海における中国艦船の行動でも遵守されている。

その合意を今回の韓国駆逐艦は破ったことになり、艦長以下の処罰はもとより、国家を戦争の危機に直面させかねなかったという点で、
鄭景斗国防相の更迭もありうる事態である。鄭国防相は前合同参謀本部議長。航空自衛隊の指揮幕僚課程と幹部高級課程を修了した知日派として知られる。

現在の韓国では徴用工問題などで反日感情を煽る動きがあり、それが海軍にも波及していることが事件によって明らかになった。
その韓国が、中国に倣って国内と軍内部の反日感情の沈静化を実行できるか、そして事実上の謝罪を行うことができるか、
さらに日本が冷静かつ毅然たる姿勢で臨むことができるかどうか、日韓両国の国際的評価が分かれる問題として世界が注目している。

年末の段階では、日本政府は韓国側の火器管制レーダーの周波数などのデータを手に、動かぬ証拠を突きつけながら、
相手を最後まで追い詰めない形で外交的な勝利を手にする姿勢を貫いている。そこだけを見ると、日本外交もかなり成長した印象があるが、
狙い通りに韓国側が動くかどうか、目を離すわけにはいかない。

小川 和久