>>109
だからね、その歯科医師として具備するべき知識ってのが、歯科の領域だけではないって言ってるの。
例えば、もちろん歯医者だって薬は処方するわけだけども、薬を処方するということは、
少なくともその患者さんの全身状態や生活環境を把握していなければ、どの薬を処方して大丈夫かなんて、わからない。
それに、歯科は、医療を内科と外科で分けるならば、外科の分野に入る。
つまり身体に侵襲を加える治療を行うこととなる。
そう言ったときに全身の偶発症などが起こることは十二分に考えられる。アナフィラキシーショックや、過換気症候群などね。
それらの対処法などを身に着けておかないと、患者さんを下手したら死なせてしまうんだよ?

さらに、慢性腎不全のアジソン病といった、一見まったく歯科には関係なさそうなことまで勉強する。
なぜかというと、アジソン病の1つの症状として、口腔内に色素沈着を起こすという症状がある。
なので、アジソン病の患者さんは、歯科の疾患とは関係ないのにもかかわらず、口の中がおかしいということで、最初歯医者さんに訪れるということが非常に多い。
もちろんアジソン病の治療をするのは歯科ではないが、少なくともアジソン病だと診断できるだけの知識は必要だということ。

今あげたことは、本当にほんの1部にすぎない。他に例を挙げろと言われたら、一晩中だって言い続けられるよ。
医者はね、結局ほとんどの人が内科に進むの。つまり診断して薬を処方するだけってことが多い。
しかし歯科は、診断したあとに、外科的に処置をし、さらに薬の処方など、一人でやらなきゃいけないことが多い。
いくら歯科と言えど、人の体に侵襲を加える資格を得られる以上、歯科を飛び越えた様々な知識が必要なんですよ。