留年した学年の最初の試験ではすきなく勉強し、トップの成績をとったのであった。
が、それは勉学意欲からではなく、ひたすら落とされる恐怖にかられてのことであった。
医学部では他の大学でも、人間関係が悪いなかで、一教科でも合格点に満たない教科があれば
落とされる状況の中で潜り抜けるように学生生活を送った人も少なくないようである。
最初に入った学年の1年生は96人。そのうち17人が留年を経験し、
二人が退学、一人は自殺したのである。この数字を多いとみるか妥当とみるかは
人それぞれであろうが、少なくても落とされる恐怖の中で勉強したとしては多いと私は見ている。