0175白石
2016/10/30(日) 21:43:16.4610月20日(木)朝日新聞東京版夕刊5面・都ものがたり
成田一徹と奈良の「コットンクラブ」 「バーは人なり」切りとって
いらっしゃいませ。
声といっしょにマスターの笑顔が飛びこんでくる。
「コットンクラブ」はそんなバーである。
奈良市の近鉄新大宮駅から歩いて10分余り。
オーナーバーテンダーの村尾昌紀(48)にとって、
切り絵作家成田一徹との出会いは食雑誌「あまから手帖」だった。
大阪のバーで修業したころ、載っていた作品に目がくぎづけになった。
シャープな線が際立つ黒と白世界。
一徹は全国の名店と名バーテンダーのきりりとした姿を千点もの作品に残した。
村尾はコットンクラブで働きだし、知人のツテで切り絵を頼むことになった。
2000年の春先、一徹が初めて店を訪れた。
「緊張でよく覚えていないんですが、やさしいしゃべりかただった」
(続く)