吾輩は浦安市民である。

3.11以後
日本の変容にも似て 
我が家において わがなけなしの信用と権威が地に落ちた。
「おれの生きているうちに大地震は来ない」と公言していたものだから 家人の見る目が冷たい。
予想は外れるためにあると持論を述べても聞く耳を持たない。
当日 揺れが収まって表へ出たら 地面のあちこちから黒々と水が噴き出ている。
下水管が破れて流れ出た汚水かと思った。
それが液状化による汚水だと気づくのにしばらく間を要した。
気がつくと 家の周りは黒泥で囲まれている。
ゴム長靴がズボッとまるで抜けない。
二、三十センチの層を成している。
軟弱な地盤の水分が出てきたわけで
沈下した分に応じて家が傾いている。
向こう三軒両隣もご同様だ。 四分の三が埋立地の浦安だが
怪しいことに場所によってびくともしなかったところがある。
埋め立てた土砂の性質によるのか地盤強化の方策の違いなのか。xxxx。
むかし海であったことを承知の地に住んでいたのである。
地震で液状化するとは言われていたことである。
こうなったことに不思議はない。
液状化を今さら悔やんでも詮無い。
悠悠なら「だから 言ったではないか」と言うだろう。xxxxx。
傾いた家で暮らしていると どだい乏しい平衡感覚が狂う。
視覚もおかしくなるのか テレビに映る菅首相の目がおどおどして
焦点も定まらぬように見えるけれど
あれは大丈夫であろうか。

因果応報・・・・