モチーフとして買って、家で何度も繰り返しデッサンした一つのりんご。
それを食うと決め、包丁を入れようとした時、とてつもなく胸が痛んだ。
ごめんね。ここ数日、君の美しさに見とれ、隅々まで理解しようとした。
そんな私たちの高尚な時間、汚れなき関係が、ついに終わってしまう。
私は今、彼女を食おうとしている!醜い欲望で貪ろうと考えているのだ。
罪悪感まで一緒に押し殺すかのように、無垢なソレに一気に刃を挿し込む。
裂けた―鼓動がはやくなるのがわかる―さようなら、罪なき君。
もはや君は、食材にしか見えない。崇高だった君は、過去のものなのだ。


結論:おいしくいただきました。