浄土宗とコム社が和解5億円で裁判終結
http://www.chugainippoh.co.jp/news/2012/08/02news.html

浄土宗で平成18年5月に明るみに出た7億4500万円に上る宗務庁公金不正流用事件に絡み、
同宗が先物取引会社コムテックス(大阪市)に損害賠償を求めた裁判の控訴審で和解が
成立したことが1日、分かった。

コム社が浄土宗に5億円を支払うことで合意。事件発覚から6年余り、刑事・民事に及んだ
一連の裁判が終結する。

同訴訟は犯行に及んだ元宗務庁財務局課長補佐と取引していたコム社に、浄土宗が弁護士費用を
含めて7億7770万円の損害賠償を求めたもので、昨年7月の大阪地裁一審判決は「コム社には
取引の元手が宗派の公金だという認識があった」とする浄土宗側の主張をほぼ認める形で、
コム社に約6億1500万円と、平成16年11月から年率5%の遅延損害金の計8億円余りを同宗に
支払うよう言い渡した。

浄土宗側にとってほぼ勝訴といえる一審判決をめぐっては、莫大な賠償命令額がコム社の経営に
致命的な影響を与える可能性なども宗内で指摘されていた。

同宗が和解に歩み寄った背景には、コム社の現実的な支払い能力や裁判長期化に伴う訴訟費用の
増大を懸念したことがあるとみられる。