自分のクラックロングが大きく曲がると、提灯つけている大衆筋をこき下ろした秋山
vs

栗田さんを知っている現役投資家が現在何人いるだろうか。
当時は静岡筋と呼ばれ、栗田ファンは多かった。活躍の場はその当時全盛の生糸相場。
静岡支店からの注文で際立ったものがあった。期近からの注文で良く当たっていた。
ペロ(売買注文伝票)の名は  栗田 嘉記 と書いてある。
まだその当時は栗田さんの名は全国区ではない時代だが、大胆でもあり、的を得ている張り方
でもあるとの印象は、今でも記憶している。
栗田さんの相場の組み立ては、需給が基本であるを踏襲する張り方である。
力ずくではなく、相場の流れを読み取る名人であった。
その後、連戦連勝で栗田嘉記 ここにありの勢いであった。
名を馳せれば側近が出来る。人は寄ってくる。取り巻きが出来るのは当たり前の事である。
順風満帆の時ばかりないのが相場の世界。
大きく曲った時がその相場師の鼎の軽重が問われる時である。
先ず栗田さんは取り巻きのチョウチンを降ろさした。その後、本隊の自分自身が手仕舞いした。
その様に自分が負け戦のときに取り巻きの配慮までして白旗を揚げる相場師がいたのである。