本気で外務員を救うなら辞めさせるしかないだろう。

俺は電話がかかってくる度に説得してるよ。
コンプレックスを刺激して逆上させないように、家出少年を諭すように
粘り強く説得する。

「本当にこのまま一生、外務員を続けていくの?」
「外務員は自分に向いてる仕事だと思う?」
「同期入社した人は今、何人残ってるの?」
「自社の平均就業年数、知ってる?」
「俺は正義の味方じゃないからバカの味方をするつもりは無いよ」
「この世は良いか悪いかじゃないよ。賢いかバカかだよ」
「バカを騙して金を巻き上げるのが痛快なら何の問題も無いよ」
「君の天職だと思うよ」
「でも、そうじゃないなら君に外務員は向いてないかもしれないよ」
「本当にこのまま一生、外務員を続けていくの?」
以下、繰返し。

間違っても「『生きた経済に触れられます』とか『最先端の金融工学を学べます』
とか言われて真に受けたんでしょ? プゲラッチョ。」なんて言っちゃダメ。