>>838
>>840
隣のベッドになった別の爺さんだけど、この爺さんはとにかくずっと眠ってた。
たまに茄子が端の吸引に来るとさすがに目をさまして「おぇなんしやがる!」と歯が抜けて何言ってるかわからない言葉をはっしてまた眠る
とにかく眠る

でも、ある時から深夜の2時ごろになると一人で誰かと会話を始めるようになった。楽しそうに。
歯が抜けてるせいなのか何を話してるのかわからないけど、楽しそうに会話が続く。ひとりでね。

毎晩続くので、きっと誰かが来ているのだろうとおもい。俺も会話に加わろうと声をかけた「俺もはなしに混ぜてよ」って
そしたら爺さん驚いたのか、俺のほうをこの世のものではないものを見るような目で睨んで誰かとの会話は途切れてしまった。

誰かの亡霊でも来てるのなら、、死後の世界があるのか聞いてみたかったんだけどな。
死後の正解があれば、残していく身内にも「あの世から見守ってるから」という言葉にも説得力があるだろ。

大晦日に外出許可が出て正月を自宅で過ごして病院に戻ると、爺さんはいなくなってた
大晦日の夜に逝ったらしい。

何の病気だったのかナスにきいたら「あなたと同じで食道がん」と教えてくれた
とにかく四六時中眠りっぱなしで苦しそうな様子の見えない爺さんだったな