全がんの3年生存率は、実測生存率67.2%(前回:66.3%)、相対生存率72.1%(前回71.3%)だった。
また、部位・病期別では、喉頭の相対生存率が、1期96.0%、2期90.2%と90%を超えており、放射線治療が有効である比較的早期の場合は生存率が高いといえる。
同様に腎の1期98.5%、2期94.3%、腎盂・尿管の1期が90.1%といずれも90%を超えていた。
一方で、胆のうは膵臓とともに難治性がんといわれているが、根治切除可能な1期では91.1%、2期では77.4%と比較的良好だった。
がんによっては、同じ病期であっても治療の難しさなどに違いがあり、生存率は異なっている。

5年生存率は、今回が4回目の調査で、277施設568,005例が対象となった。
全国集計と各都道府県、施設別の集計データがあり、それぞれ部位・病期別のデータと、全国集計は性別、年齢階級別も公表されている。
全体での全がんの5年実測生存率は58.6%(前回58.5%)、相対生存率は66.1%(前回65.8%)だった。

性別の割合は男性が58.2%、女性が41.3%でやや男性が高い割合。診断時の年齢は、男女ともに70歳代が最も多く、70歳代、80歳代以上を合わせると約47%の割合だった。
部位・病期別にみると、女性乳房は1期・2期が多く、比較的若い世代の割合が多くなっており、他の部位も同様だが、より長期的な視野でみていくことが重要と考えられる。
また、前立腺は相対生存率がほぼ100%。病期別にみても、1期、2期、3期ともに相対生存率は100%を超えている。