本質的には免疫療法に意味はあるだろうな。但し現在の免疫療法が完全ではないのは事実。

癌は成長と共に全身の免疫系を衰退させていくので、裏を返せば、癌の成長にとって
免疫系は確かに邪魔者という事だ。
あと、細胞性免疫が癌を破壊するメカニズムは結局活性酸素なので、組織の酸素分圧がある程度高くないと
鉄砲はあっても弾がない状態になる。衰弱して運動できなくなると全身の循環が低下して末梢が酸素不足になるから
益々免疫系は効きにくくなる。
一方、癌も免疫系の酸化的攻撃を防御する為、全身から鉄を集めて活性酸素と反応させ酸化鉄とする事で
自身を守っている。あと鉄欠乏からヘモグロビンが低下するので赤血球が酸素を運べず末梢は益々酸素不足
=癌が生き延びやすい環境になっていく。末期癌患者が貧血になるのはこのためだな。

現在の免疫療法は霧吹き程度の水で火を消そうとしているのと同じ。ごく初期の、検査では検出出来ない程度の癌
には有効かも知れないので、R0術後の再発予防には有効かも知れないが、既に大火事状態になっている場合には
残念ながら気休め程度の効果しか期待出来ないだろう。方法論は間違っていないがパワー不足。

癌は単一性状の細胞の集合ではなく少なくとも分化細胞と幹細胞から構成されていると考えられており、上記の様な
免疫抵抗性は幹細胞で顕著。分化細胞と幹細胞の比率は癌の種類や個人で差があるから、>>24の様なケースは
幸運にも幹細胞が極端に少なかったのかも知れないな。