>>4
最近の例で言えば下記の様なものがあります。

@Gastroenterology 137:482-488, 2009
インスリンまたはインスリン分泌促進薬を使用した糖尿病患者
では、それらを使用しなかった患者と比較して、それぞれ、膵がんの
リスクが 4.99 倍と 2.52 倍に増加しました。
一方、糖尿病の患者でメトホルミンを服用していた場合、メトホルミンを
服用しなかった人々と比べて、膵がんのリスクが 62 %低減すること
が示されています。

ABMC Cancer 2011 Jan 18: 11(1):20
台湾で実施された80万人を対象にした前向きコホート研究では、
2型糖尿病があって血糖降下剤を服用していないグループでは、
大腸がん・肝臓がん・胃がん・膵臓がんの発生率が約2倍くら
いに高く、メトホルミンの服用によって非糖尿病グループの
レベルに低下することが報告されています。この論文では、
1日500mgのメトホルミンががん(特に、胃がん、結腸直腸がん、
肝臓がん、膵臓がん)の発生率を著明に低下させるという
結論が記述されています。

インスリンと癌の関連性については2009年に一度問題化しかけたのですが
(この時はインスリン全般ではなく特定のインスリンアナログの問題とされた)、
厚生労働省が「肯定否定双方の報告があり関連性は明らかではない」
との宣言で火消しをはかった経緯があります。詳細は医薬品・医療機器等安全性情報のNo.263
を読めばわかりますが、危険性を肯定する報告12に対し否定報告は6しかなく、また厚生労働省の
結論も「はっきりしないので引き続き注視する」といった事になっています。
しかし@やAを見てもインスリンの危険性とメトホルミンの有用性は明らかと考えられます。