緩和ケアの中で
「全人的な痛み」、「霊的な痛み」というような概念が出てくるけど、
医療が「死」の近接領域である以上、そういう、ある意味宗教的な概念は
どうしても切り離せないと思う。

どれほど科学(医療)が進歩したところで、
医者をはじめとする従事者が手だてを施せる領域は、(肉体的に)生きてる間まで。
そこから先は、いやでも宗教(原理的な意味で)の領域にならざるをえない。

そういう意味でも、
「安楽死」という、生〜死にまたがる話を議論するとなれば
たとえそれが法律や制度に至る話であっても、“宗教”とは不可分だと思うよ。
まあ「宗教」という言葉にアレルギーがあるなら、
「価値観」だとか「死生観」だとか、なんでもいいんだけどね。