近藤氏のがん著作は誇張では済まされない根本的間違いが含まれます。
昨年の秋に出版された著書での中心理論は「がんはクローンであり性質が
おなじであるから、転移しているものは既に転移しており、転移していない
ものはこれからも転移しない」というがんもどき理論を遺伝子から説明を
試みるものです。

しかしながら、これが根本から間違っています。がんは遺伝的にクローンでない
ばかりか、癌細胞一つ一つが分裂の過程で徐々に増殖ブレーキや転移抑制が外れて
いくことによって悪性度や転移する能力が高まっていくことが遺伝子レベルで証明
されています。

がんの転移、なぜ抗癌剤で縮小がみられてもいずれ効かなくなることがあるのか、
転移の方が成長スピードが早い場合があるのはなぜかなど、がんの性質の重要な
部分がこの遺伝子の多様性(クローンの逆)によってもたらされます。

がんの研究者なら10年前から常識といっていいことで、論旨の根本に事実と異なる、
一般人には正しく見えそうなもっともらしい嘘を使い、自説(がんもどき)を正当化
するのが彼の手法です。

つまり、専門的知識により正誤を見抜けない限り、彼の情報は一切参考にしないほうが
よいということです。