8年・・・
この状態になるまでに8年も掛かったのなら、病院でしっかり診てもらえば治る時期だったんじゃないのか?
今、死を目の前にして今更ながら異常な恐怖を感じるようになった
誰もがたったの一度だけこの宇宙に存在できる貴重な時間が終わり
もう二度と俺の意識が存在しなくなる恐怖・・・
怖ぇ
世界では毎日数万人という膨大な人数が死んで、毎日数万人が生れてくる計算らしいが、本当にそんなに死んでるのか信じられない
皆はどんな風に死んで行っているんだ
皆がこの恐怖と戦って死んでいる姿が見えない

・長生きして子供を残し、孫も生まれ、自分の遺伝子が確実に受け継がれれば、達成感に満たされる?
ドラマなんかでよくある、子供が生れたのを聞いて満足げに死んでいくシーン
あるいは子供を命がけで守って満足げに死んでいくシーン
子供を残す事は鍵の様な気がする

・ボケる程までに長生きして夢見心地で眠っていくのか?
・天国や生まれ変わりを信じて・・・

若くして何も残さず、宗教も信じず、交通事故や自殺を除いた突然の死を突き付けられた人間はどうして来たんだろう
この脱力感の中で何が出来るんだろ

・・・何もない
絶望的なのは、死が目前に迫り、残された時間がどれだけ貴重な物かと分かっていても何もする事がない・・・
残された時間を家族や恋人と過ごす?
残した仕事や使命を果たす?

俺には何も無い
最悪の体調が続いているが、比較的楽な日には外をぶらぶら出来る
家の中でもあんまり体力を使わない作業なら大体は出来る
が、何もする事がない
何だこれ・・・、俺、死ぬまでもなく最初から「無」じゃん
からっぽの人生じゃん
今頃気付いた
じゃあ、大人しくそのまま消えていけばいいじゃん

・・・無理!それは他人の理屈だよ
からっぽの人生
TVを見て笑って、ゲームで熱くなり、ご飯を食べて美味しいと感じ、女子校生を見てムラムラするだけ
他人から見て何も無い、全く必要とされないくだらない人生でも、俺が楽しかった
そんな毎日が永遠に続くと思ってた

何の発展性も無い人生
仮にこれから40年、健康で生きてたとしたら、今とほぼ変わらない頭で体だけ老人になった俺が
今と全く同じく、何の満足感も持たないまま「寿命」という最後に怯えてるんだろうね
それなら今すぐ死ぬのも、数十年後の死も全く同じだな、あははと潔く死ねたら良かった

考えれば考えるほど、自分の何も無さに絶望するよ
実際どうすりゃいいんだ
体調のいい時でも使って近所の草むしりでもするか・・・
何だそれは、何の為に
何しろ人生に何の積み重ねも無い
今更子孫を残すべくパートナーを見つけるのは無理だ、そもそもそんな事が出来る人間なら、ここまで追い詰められてはいないだろう