なんで皆、がんを恐れるの? 大部分のがんは自らの生活パターンの無理から
生じる「結果としての病態」なんだよ。そう結果なの。原因に目を向けずに、
結果だけを知ろうと汲々とする。勉強をろくにしないで受けた試験の結果を
心配するようなものだ。その図々しい臆病さは卒業したほうがいい。

あまりがん、がんを気にしてがん検診にのめり込むことは体によくない。もう
少し詳しく言うと、精神の緊張が自律神経系を乱し、しいては体調を崩して
しまうのだ。自分の体に無理を強いていないか。睡眠不足はないか。疲れて
いると自分が感じているときに、付き合いだからと酒を飲みに行ったりして
いない?腹一杯食べたのに、デザートを見たらつい手を出してしまうことは
ないかい。これは一生懸命働いている胃に残業を命じるようなものだ。

臓器は君の奴隷でない。例えば五臓(肝、心、脾、肺、腎)は文句も言わずに
働いているとき、精神(頭脳)が理不尽な命令を下すのはエゴというもの。
黙っている臓器はいつか、「もうこれ以上働けません。お暇をいただきます」
とストライキに入る。これが病気の発症ということなのだ。

健康お宅でなく、交換がきかない臓器を大事しようとする気持ちがあれば、
臓器は必ず答えてくれる。その努力をしないでがん検診で、問題なしという
お墨付きをもらおうという根性が情けない。検診でオーケーが出たから一年間
安心できると思うのが間違い。検診に頼り、自分の友の臓器を大切にしない
生活を送るとしたらそれは本末転倒というもの。

早期発見しないと、がんが進行したり、転移すると心配する人も多いようだが、
そんな心配するくらいだったら、五臓六腑を心配したほうがいいよ。上にも
書いたが、ストレスから解放される自分なりの方法を、飲食以外で確立する
ことも大事だ。スポーツよし。音楽よし。山登りよし。タウンウォッチング
よし。何でも自分が、自分の意思で打ち込めるのがいい。ただ相手と競い合う
のは駄目だ。リラックスするはずが、交感神経がまた緊張して、血行不良を
引き起こしかねないから。

人は、自分の好きなことを、自分のペースでする限りストレスと感じないから
検診の結果を恐る恐る待つことより、体にとって優しい刺激で、体も元気に
答えてくれる。自分の体は、自分で責任を持つということをよく理解すれば、
おのずと解は見えてくる。