(つづき)
次に選んだのが長野電鉄が所有する須坂駅の駐車場でしたが、こちらも止められる車両は30台まで。
そこで、敷地が広い長野市西和田の長野運輸支局にも許可を得て、そこに多くの車両を移動させることにしました。
会社を心配して自主的に集まった運転手たちが協力しあい、移動を開始。
まず15台から30台のバスが一斉に避難場所へと移動し、そのまま全員が1台のバスに乗り込み、会社へ戻りました。
この移動を数回繰り返し、バス100台を効率よく移動させたといいます。
当時バスの移動をした運転手の荒井善則さんは「20台30台で連なっていくことはまずないので、複雑な気持ちだった」と振り返ります。
また「一度行って戻ってきた時に駐車場の水がだんだん増えてきたので、どこまで増えているのかなという不安はかなりあった」と話します。
移動ができそうな広い駐車場を事前に把握していたことが功を奏し、2、3時間後には、すべてのバスを移すことができました。
長電バスは、2日後には通常の運行を再開。
しかし、バスを避難させていなければ、数十台が廃車になっていた可能性もあったといいます。
所長の原澤一美さんは「災害ボランティアのバスも運行していますし、列車代行も運行していますので今後も同じように活用していただければ」と話します。
水が迫りくる中で行われたバスの大移動。
事前の準備と迅速な行動が100台のバスを守りました。