◆バイクの転倒事故で50億円の契約が無効に、鹿島JV◆

長崎県が発注した県道の舗装工事でバイクが相次いで転倒する事故が発生。
同県土木部は2月10日、施工を担当した上滝(長崎市)を2カ月間の指名停止にするとともに、
同社が構成員となっている鹿島・上滝・八江グリーンポートJV(共同企業体)が仮落札した
2件の陸上競技場新築工事の仮契約を無効とした。契約金額は合計約50億円。

バイクの転倒事故が発生したのは、長崎県南バイパス建設事務所が指名競争入札で発注した
「主要地方道長崎南環状線道路改良工事(新戸町側舗装工その2)」。
長さ約1kmにわたって排水性舗装などを施す。8735万1600円の予定価格に対して、
上滝が8172万7800円で落札した。工期は2010年11月から2011年2月まで。

2月3日午後10時ごろから、県道を一部通行規制して夜間工事を開始。約100mにわたって、
幅7〜10mの車道のアスファルト舗装の表層を約5cmの深さで切削した。
翌4日の夜に新たな舗装を施す予定で、基層が露出した状態のまま4日午前5時30分ごろに道路を開放した。

道路を開放する際、切削した部分と既存の路面との間に約5cmの段差が生じていたので、
常温補修材でスロープを設置した。ところが、道路の路肩側にはスロープなどを設けず、
段差がある状態で開放していた。

この路肩側の段差にハンドルを取られ、午前7時4分から24分までの間に3台のバイクが相次いで転倒し、
運転していた男性の1人は肋骨(ろっこつ)を骨折。折れた骨が肺に刺さるなどのけがを負った。