「日刊建設工業新聞」の
回転窓/同僚Sを悼む [2014年5月26日1面]
 18年前の暮れの話。同僚のSが突然「この1年間、トップの方に
1回も会っていない担当会社がある。もっとトップ取材をしよう」と
言いだした▼当時、経済紙は各業界の社長を新春インタビューとして
掲載していたが、建設専門紙では例がなかった。Sと2人で12月下
旬に急きょ、担当会社の中から15社を選んで社長インタビューを申
し込んだ。年末年始の忙しい時期にもかかわらず、11人の社長が取
材に応じ、その年の干支(えと)に合わせ「丑を語る」(97年)と
いうタイトルで掲載した▼翌年、Sは「これを定例化しよう」と言い
だし、仲間に声を掛けて11月中に30社を選び、手分けして取材を
申し込んだ。98年の紙面には32人の社長が登場してくれた。人数
が増えたのは、取材先から「当社も扱ってほしい」との要望があった
からだ▼この新春企画は今も続き、今年の紙面には実に125人もの
社長にご登場いただいた。Sは「トップを取材することでわれわれ記
者のレベルも上げなければいけない」と常々言っていた▼そのSが先
週、1年余のがんとの闘いの末に亡くなった。51歳。早過ぎる死が
残念でならない。


S氏ってだれですか?知っている方がいましたら教えてください。