北斗神拳は、考えれば考えるほど難しい。
人体自体が、五層の世界をあらわしているらしい。
胸の当たりの構えは、狭義のやや人間界よりやや下の世界らしい。
構えが腹の当たりにになると、それは地下の世界をあらわしている。
顎より下は、神界より下の世界。
だからそのあたりで構えてもみても北斗の神の世界へ通じるはずはない。
北斗相伝者は、サッーと両手が上に挙げられる構えとなってしまう。
それこそ相伝者は咄嗟のうちにである。
この辺にも天地人の摂理が働いている。
そこで一般の武芸の構えは、北斗の境地を表わしていないということになるらしい。
達人が、思わず両腕が頭上に挙げられる場合は、原理は同じである。
胸の当たりの構えでは、北斗の志向は、北斗の神に届かないのである。