骨法が落ちぶれたのは他流試合で惨敗したから、という理由だけじゃない。
当時はどこの流派も惨敗に次ぐ惨敗でマスコミに「日本最弱」なんて書かれていたほどだったんだ。
「他流試合、みんなで負ければ怖くない」とばかりに開き直ることだってできたし、たとえ勝てなくても他流試合に挑戦する行為
そのものが評価される時代だったんだ。

それに、格闘技ファンだって一度や二度の敗北ですぐに見限ってしまう程冷たくはなかった。
「骨法ならまだ何かやってくれるんじゃないか?このままで終わったりはしないんじゃないか?」と、期待する空気も残ってたんだ。

その期待を裏切り底の浅さを露呈したのが他流試合ではなく、自流試合である〈骨法完成〉だったんだ。