>>876の続き。
素晴らしい福袋を引き当てた俺は最高の気分だった。
やがて店に貧しそうな母娘が入ってきた。
そして母親がマスターに福袋を注文した。ただし一番安い梅だ。
だが次の瞬間、福袋を開けた娘が大声で泣き出したのだ!
なんと母娘の福袋の中身は岡田なんちゃらの著書だった!
梅の福袋の価格は100円。
岡田なんちゃらの著書なんか古本屋で10円で買える。
あまりにも酷いボッタクリ!
店内の客がマスターに軽蔑の視線を向けている!
罪悪感に押しつぶされそうになったマスターは慌てて叫んだ!
「す、すみません!これはちょっと手違いで!本当の中身はこっち!」
そういってマスターはボンカレーゴールドを手渡した。
「わーい!」
ようやく泣き止んで笑顔を取り戻した娘をホッとした顔で見守る客たち。

そんな店内の様子を奥のボックス席から人気作家の小島先生が見ていた。
「ふっ。今年もこの店は平和だな」
そうつぶやいた小島先生はマスターの淹れたゴールドブレンドのカップを上品に傾けた。