雨宮先生がすごいと思うところは技単体だけじゃなくて、理合があるところ
矢地選手とやった時は、詰め将棋のように追い詰めてタックルに誘導している
福地選手とやった時は、耳の穴に親指を突っ込んでそのまま続ければ反対の頭に鎧通しを打ち込むという形で終了している
もし防いだとしても耳を掴まれてるんだから、そこから崩してどこか打つなり骨を折るなりすればいいわけだから詰んでる
もちろん急所を攻撃するわけだから、怪我しないように両者とも配慮した手合わせで、どれも本番というわけではないのだが、それでもどう動けば相手は嫌がるのか、どうすれば勝ち筋をつかめるのか、などといったノールールの戦いを熟知した理合がある動きになっている
これはちょっとやそっとの積み重ねじゃ手に入らない

メイウェザーはボクシングで理のある動きを熟知しているが、それは長年の練習だけじゃなくてトレーナーの適切な指導と知識があったから
だから有利な試合運びが分かるし、どのタイミングでクリンチしたり、どう相手を追い詰めればいいかが分かる
先人から続いたボクシングの積み重ねがなきゃ、そういった理合は得られない

たくさんの達人技も持っていながら、そんなノールールでの立ち回り方なんてのも一人で研究して習得できるものだろうか
やっぱりちゃんとした師匠がいて、その師匠もまた前の師匠から教えてもらった研究の積み重ねがあったんじゃないだろうか
雨宮先生の言う通り、実の親から教えてもらってたとして、親子三代であそこまでいくのだろうか
祖父もまた曽祖父から教えてもらったんじゃないだろうか
その積み重ねは何代前まで続くのかが分からないから