以前埼玉の映画館に行ったら前の席に偶然コジが座っていた。
その映画はハリウッドナンバーワンヒットで日本でも大流行していた。
だから当然コジもこの映画を高く評価するだろうと思った。
そして2時間ほどの上映時間が終わると前の席のコジがポツリと呟いた。
「うーん、100点満点で20点かなあ・・・」
なんという辛口評価!
驚いた俺は思わずコジに話しかけて20点の理由を聞いた。
するとコジはこう答えた。

「まず主役のセリフに深みがないね。
ヒロインの女優の演技も一見上手いが型に嵌って独創性がない。
そして致命的なのはシナリオの詰めの甘さ・・・」

なるほど、そう言われてみれば確かにコジの言う通りだった。
コジの鋭い批評眼にすっかり感心した俺はポップコーンを噛み締めながら
「ブラボー・ミスター・コジマ!」
と叫んで映画館を後にした。