小島一志先生名言集

周囲から現実主義者と笑われてきた俺だが、若い頃から二つの夢があった。
一つ目の夢はハワイへの移住。この夢に向かって努力を積み重ね、夢が現実へとなりつつあったが・・・
コロナの発生と極端な円安、そして癌宣告という三重苦でどうやら夢のまま終わっちまいそうだ。
二つ目の夢は・・・安田留美を主人公にした小説の執筆。
ジャンルは・・・そうだなあ、恋愛小説・・・あるいは青春小説でもいい。
ただひたすら夢を追い求めていた若き日の二人・・・身分違いの俺と安田留美がウブな両想いを遂げるための
悪戦苦闘の日々。そう、俺自身の体験談を元にしたセミ・ノンフィクション形式の愛の物語を紡ぎたいんだ。
舞台は二人が同棲していた三畳一間の小さな下宿。窓の下には隅田川。
週末は俺のカラテの稽古が終わる時間を待って、池袋の喫茶店で待ち合わせ。
小さな石鹸カタカタ鳴って、俺は安田留美の体を抱いて「悲しいかい」と聞いたのさ。
若かったあの頃、何も怖くなかった。
ただ安田留美の優しさが・・・怖かった。