小島一志先生名言集
「父に幼少時から首里手、荒木流といった古流武術を叩き込まれた僕が何故中学時代から武徳会柔道、そして高校時代からボクシングといった現代格闘技を学んだのか?読者の方から良くされる質問の一つです。
それは古流武術の技術が基本的に『相手を殺す』事を目的としたものであるからです。荒木流には一応相手を殺さずに捕縛する技術である捕手術もありますが、あくまでこれは戦国の世における感覚での『殺さない』技術であり、相手のその後の人生を左右するような深刻な怪我や障害を与える事などに関しては考慮されていません。
中学時代、荒っぽい土地柄であった為に生意気だった僕は入学してすぐに上級生に呼び出されて恫喝されましたが、従わなかった為に複数人がリンチにかけるべく襲ってきました。勿論黙って殴られる訳にもいかないので既に身につけていた古流の技で戦わざるをえませんでしたが、結果として相手に大怪我をさせてしまう事になりました。
相手が複数人の上級生、そして札付きの不良揃いだった事、僕自身が学習成績自体は良好だった事などから結果的に僕が責を問われる事はありませんでしたが、弱者に対して不相応に強大な力を振るってしまった後味の悪さは強く僕に残り、『相手を殺す』技術以外に『相手を制する』技術を習得する必要性を強く感じました。」