空手女子組手で21年東京五輪代表に内定している植草歩(28)=JAL=が28日、自身のブログを更新。帝京大時代の恩師で、全空連選手強化委員長の香川政夫氏からパワハラを受けていたとする問題について、今月24日に表面化して以降、初めて自身の言葉で説明した。

 植草は冒頭、一部報道でパワハラについて全空連の通報・相談窓口に通報したとされていることを否定。「3月12日に、日本オリンピック委員会(JOC)の通報・相談窓口にご相談をさせて頂く機会を得ました。また、3月15日には、全空連の役員の方にもお話をさせて頂く機会を設けて頂けました」と説明した。

 経緯についても、昨年9月頃から香川師範による「練習環境のこと、大学院進学のこと、その他プライベートや自活の為の仕事のことなどで、自立心・自尊心を傷つけられたり、大声で怒鳴られたりすることが多くなりました」とし、今年3月には五輪強化合宿をめぐり、香川師範の意向により、植草の参加意思に反して欠席を余儀なくされたことを明らかにした。

 また、竹刀で顔面を突かれて負傷したという報道についても補足説明。昨年12月20日頃から、竹刀を用いた稽古が練習の最後15分間に行われるようになったとし、「師範が、選手に対して竹刀を突きや蹴りに見立て、振り回したり、突いたりする一方で、選手はこれをかわしながら、蹴りや突きで反撃させるという練習です。この稽古では、選手は面などの防具をつけることを許されていませんでした」と明かした。

 植草は2015年に左眼内壁骨折を負い、手術によってプレートを埋め込んでいる。今年1月27日、当該の練習中に左眼に竹刀が直撃。激痛で動けないほどだったが、香川師範から治療やけがへの心配の言葉はなかったという。翌28日には「左眼部打撲、左上眼瞼擦過傷、脳震盪の疑い」と診断。29日には「左眼球打撲傷」と診断されるも、師範から謝罪は無く、竹刀を用いた練習も継続したという。

 東京五輪代表に内定している植草にとっては、本大会4か月前というタイミングでのパワハラ被害告白。思い悩んだ末に「ここで私が、様々な恐怖の為、声を上げることを我慢してしまえば、これまで、解決の為にお力添え下さいましたコーチや先生方、支えてくれた仲間にも申し訳なく、また、このままの状態が続くことは、オリンピック選手としても、望ましいことではないと思い、微力な私ですが、精一杯の勇気を出して、真実をお伝えすることに致しました」と悲痛な文面で、経緯説明を締めくくった。

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3/28(日) 21:08  スポーツ報知
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