憲法記念日。
「日本国憲法」は今こそ、また「コロナ後」を考える上でも大事だと思います。まず基本的人権の尊重。
最たる物は第25条が定める「生存権」、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」ですが、現在これすら脅かされているのではないでしょうか。

憲法第25条の「2」には、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とあります。
国の現状、すなわち、検査ができない、所得や休業の補償をする気が無い、おかしなマスクを配ろうとして失敗する・・はこれに反すると思います。

気がかりなのは、「政府の感染対策が不十分なのは憲法に『緊急事態条項』がないから」という言説があることで、これは全く関係がない、危険な主張と思います。
現行法や個別立法でできることをやる気がない政府の問題に違いありません。

首相が憲法に「緊急事態条項」を盛り込む検討を促した、という報道がありますが、容認できません。
ただでさえ国民を守ろうとしない政府が問答無用の全権を手にしたらどうなるか、想像するだに恐ろしいです。そもそも第99条の「憲法尊重擁護の義務」がある首相が言及すべき事ではないです。

「憲法改正」では、第9条「戦争の放棄」が問題になりますが、私は「前文」の精神とセットの問題だと考えています。
「日本国民は・・平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という事が大事なのであり、9条の条文は、そこから導かれたものでなければ。

憲法前文にある「・・国際社会において名誉ある地位を占める」ことは、ウイルス対策においては、先進的な医療と福祉で模範的な対応を示し、
他の国々に技術や物資や人材による支援を行ない・・といったことで達成されると思うのですが、日本は今どうしてそうなっていないのか、考えるべきかと思います。