>>526
正中線に隠れて動くって
黒田氏のいう正中線の解釈を誤解して捉えてないかな それ

「正眼に構える際に正中線を刀に隠す」というのは、その構えを取る時の
方便としては論じることはあるけど、それは本来刀でも隠せる位に
正中線(守るべき線)を細くできるべく、厳しく型を取る様に心がけよと
いう修行者への戒めでしょ

そもそも一般的にはよく誤解されがちだけど、
医学的にいう身体の中心を垂直に通ってる"正中面”と、黒田氏が言う
「振武館の正中線」とは別物だし、実際には動きの中で
常に正中線は身体の正中面に対して同じ位置には晒さない様に変化してるでしょ

特に中太刀1本目型の「涎賺」等は、そういう操作を分かり易く学ぶ為の
構造になってると黒田氏も説明してるじゃない
相手と正対しつつ、常に相手の正中面からは”守るべき線”を外して応対しているのだと

「正中線に隠れる」のではなく、厳しく鋳型にはめた様な身体の動きの中で
まず「正中線を構成」しつつ、その”守るべき線”の存在を
相手に気取らせない様に動く(もう居ない所に、まだそこに在る様に思わせる)事が、
「正中線を消す」という段階に近付く過程であるというのが、黒田氏の話の本旨

正中線は精錬された身体の動きの中で作られていく”規矩”であって、
ないけどある(様に認識できる)、見えないけど見える線(の様に認識できる)感覚のこと
その精度を高める事でどんどん細くして見えなくなっていくことで、敵にとっての「狙うべき線」、
自分にとっては「守るべき線」を消していくって事じゃない

正中線に隠れて見えなくなるんじゃないよ?