高校時代の小島先生はフォークギターに熱中したが特にウディ・ガスリーを愛聴していた。
大恐慌に巻き込まれた人々の苦しみや弱さ、そしてそれでも残る個の人間としての尊厳を歌ったウディ・ガスリーに小島先生が傾倒するのは同様のテーマを文学においてテーマにしたチェーホフを中学時代から貪るように読んでいた小島先生にとっては必然だったのだろう。