川合信水の言葉

 彼死すと雖も、その精神は我が衷にありという風になって頂ければ、一人の肥田が死んで、
何十人、何百人の肥田が出て来ることになるのであります。丁度宗教の祖師達が死にまして
も、その精神が伝わって行くやうに、彼の精神が長く此処に伝はれてゆくように望みます。(中略)

 そしてここにおいでになった方々が、村にお帰りになり、町にお帰りになって、幾人かの人
を指導してゆけば、これにより、日本の改革も、ここから出来る位のものであります。五十人
の義士があれば日本を動かせるということ、私も肥田の弟も今日まで働いて来たのは、其の為
であります。一人でもって千万人を導く人を造りたいということが私共の願いであります。
 
 仏教では『大願を起さざるは菩薩の魔事なり』と言った。そういう望み、そういう大なる志を
立てて頂きたいのであります。