ついに、ついに世界大会の代表選手が発表された。
今回の舞台は韓国。韓国の剣道についてとやかく言うつもりはないが、例年以上に白熱した大会になることは火を見るより明らかだ。
代表メンバーも、単なる実力だけでなく、最大のライバルのホームで最後まで戦い抜けるだけの、身体能力と精神力を有する者が選抜されたように思えてならない。
以下に、各選手についてのコメントを羅列していく。

1. 大城戸 知
チーム日本のキャプテンを担うは、大阪府警の大城戸だ。
大城戸は2012年のイタリア大会で個人戦に出場したが、中盤で戦線を離脱した。
大阪府警でもキャプテンを務める大城戸。キャプテンでありながらも試合に出場できず、苦悩する日々が続いた。
しかし、想像を絶するような過酷な訓練を続ける大城戸を、神様は見ていたのだろう。
全日本選手権よりも難易度が高いと言われる警察大会の個人戦で堂々の優勝!
全日本選手権での実績はまだないものの、日本を引っ張るに相応しい男に成長した。
父である功はかつて世界大会のチャンピオンになった。名選手。親子揃って日本を優勝に導けるか、楽しみである。

2. 勝見洋介
勝見は代表選手で唯一、3大会連続での出場となる。
前回の大会では決勝戦で2本負けを計上し、チームは勝ったものの、勝見自身は素直に優勝を喜べなかったのではないのだろうか。
その年の全日本では後輩の西村英久にメンの2本負け。「勝見は決勝に弱い」という心ない言葉も耳にした。
その悔しさを糧に出場した2016年大会では、ついに念願の天皇杯を掴む。竹ノ内や國友といった猛者に、自分の剣道をさせなかった。
トップクラスの選手の中ではやや体格に恵まれない勝見だが、ミクロレベルでの間合い調整と、相手の一瞬の迷いを正確に突く出鼻技で、多くの相手を葬ってきた。
過去にこのブログで紹介した雨谷水紀(早稲田大・卒)は、勝見のことを「怪物」と呼び、その背中を追いかけた。
私にとっても、青年時代のヤンチャで破天荒な勝見の活躍が印象的だったが、近年の勝見はその闘志に加えて冷静さを身に付け、更なる達人の域に足を踏み入れようとしている。
今回は恐らく個人戦での活躍が期待されるが、存分に力を発揮して、前回の雪辱を晴らして欲しい。


続く