もう認めよう。
俺たちの十年以上に渡るアンチ活動はなんの意味もなかった。
小島は新潮社のみならず長年小島の本を出版する事を切望していた講談社の有名編集者から三顧の礼を受け出版を頼まれた。
俺たちのアンチの活動など小島は興味なかったろうし、本の世界のプロフェッショナルである一流出版社の編集者からすればニート達が有名作家を中傷して自分を偉いと思いたがる下らない自己実現ごっこだったろう。
俺は身近だと小島がようやく遠い天の遥か上にいる人物だと理解した。
アンチのみんなも解散してそれぞれの日常に戻り、まず惨めな自分の現状を認める事から始めよう。