ある超大きなメディアの偉い方が、「小島さんが書く黒崎健時さんの評伝が読みたいです」と仰った。
もう20年前から会う度私は言われた。私もその気になったこたもある。でも、いざっとなると黒崎先生は雑談しか口にしない。頑固で怒り屋でどすけべ。でも愛するべく愛想のいい黒崎先生だ。
それなりの史料や周辺取材はとっくにしている。例えば1964年に建設された旧極真会館総本部ビルの60%は黒崎先生の努力の結果である。私はその背景を事細かく取材している。しかし、一冊の作品にまとめるにはまだまだ取材が足りない。私は言った。
「御社のスタッフに協力頂ければ可能ですが---、数人のデータマンを回して頂けますか?」
もし可能になるならば、最新刊の添野義二など比較にならない本当の「大山倍達外伝」になるのは間違いない。