今も目を閉じれば、昨日のことのように鮮明に思い出す。
K谷先輩、、、
憧れの存在であり、いつか超えなくてはならない壁。
生粋の野生児。
選手権者になるのは、先輩が先か俺が先か。
あれは数年前の寒稽古の最終日。
乗りに乗った覚醒間近の俺の前に先輩が立ちはだかる。
「1本やるぞな!」
「はい!」
俺は、全勢力をかけ先輩を倒すと誓った。
意地と意地のぶつかり合いを提案する。
先輩が頷く。
ここで倒さなければ、一生先輩に勝てないだろう。
果たしてどうなるか俺。
頼む。
あと10分だけ体よ動け。
地稽古が始まった。
凄まじい間合いの駆け引き!
先輩が引く。
俺はそこを見逃さない!
面!小手小手小手面!突き!
凄まじい俺の攻めに、先輩はたまらず防御!
俺は全勢力を出し、ギャク胴!
決まった!
勝つには勝ったが、地稽古前には気持ちで負けていた。
先輩は強い。
また、俺も強くなる。
剣の道は厳しい。
いつか、先輩と表彰台に、、、
K谷先輩、永遠に、、、