先代中山先生ご夫妻が心血をかけて育てて来られた岡大古武道部がここに来て廃部の危機とは、現役や関係者はまったく何をやっているのか?
中山先生ご夫妻のご苦労をご存知ない人に、一つの象徴的なエピソードを書いておく。
話題の京都の小野さんから聞いた話だ。今から50年も前、中山先生たちが、新婚夫婦だった頃の事だ。
今とは違って、古武道部も男ばかりが20人も30人もいたんだそうだ。
先生は、大学で遅くまで稽古して、ご自宅にその勢いで何人もの学生さんを連れて帰って来た。
奥さんは中学校の教師をされていて共稼ぎで同じように遅い時間に疲れて帰って来る毎日だった。
ある日のこと、稽古から帰ってきた先生は奥さんに、「おい、腹がすいた。飯はねえんか?」
「ご飯は、もうありませんよ。」との返事に先生は、
「ねえんなら、また炊きゃあ良かろうが。」
それを聞いて奥さんは、文句の一つも言わずに人数分のご飯を炊いてくれたんだそうだ。
夜も12時前のことだそうだ。
今のように便利な早炊きの炊飯器もコンビニもない田んぼの中の一軒家での精一杯の学生相手の振る舞いだった。
そんな夫婦の姿を見て、京都の小野さんも、ああ自分も若い人を育てたいと感動したんだと。
まったく、そんな草創の苦労や志が失われているとしか思えない今の現状が情けないねえ。
先生が若い人を育てる情熱に、若い人が感動して跡を継いでいくんだよ。
足の引っ張り合いばかりで廃部の危機とは、2代目は何してるんだよ?