>>774
>空手界は戦争で有望な若手の多くを失っていたから、復興のためにも若手のスターを必要としたんだろうね。
>だからこのころの大山さんは常に「全日本空手道選手権者」の肩書を名乗っていたけど、空手界にそれを否定されたことは無いんだ。

なんだったっけかな。
自分も戦前から戦後過ぎまでの雑誌関係や機関誌を個人的に色々と見てきたんだけど
これと関係する話なのか、確か似たような回想録の資料を読んだことあるんだよね。

戦後すぐの時代に伝統派の幹部クラスの人間が大山のところに提案を持ちかけに行った話。
何の提案だったのかは手元に資料がないので忘れたけど、確か大山はあんま乗り気じゃなかったんだよな。
で、平行線ながらも何回か話し合いをして、最終的には伝統派側が「事の善悪ではなく、貴方が納得するしないでもなく
『空手界のために』一肌脱いでくれ!」ってお願いして、最終的にOKをもらった話。

何に対して一肌脱いだのかは忘れたけど(あるいはその資料自体に提案の内容自体がお茶を濁してボカされてたかもしれない)
ようするに空手界としてスターが欲しいからアンタ(大山倍達)は矢表に立ってくれって内容なら、一応つじつまは合う。

ありもしない全日本大会の優勝者を名乗るのは事情を知らない末端の空手界内部から批判あるだろうし、外部の武道関係者からも
実力が問われて危険が伴う。嘘つきのレッテルを貼られた上に「空手日本一ってどれくらい強いんだ?」と因縁ふっかけられかねない。
誰もやりたくない仕事だけど、メリットとしては空手を知らない人たちに対する広告塔としての役割や、また「空手は全国大会を開ける
くらい大きな市場ですよ」という投資者獲得のためのパトロンたちへのアピールに繋がる。

伝統派もフルコンも、戦後すぐの時代で空手を習おうとする人が少ない、大会を開こうにもお金を出してくれる会社も少ないという
頭の痛い現状は同じで、食ってくための市場拡大として力道山のような分かりやすい広告塔としてのヒーローを欲してたのかもしれないね。

案外そう考えると、大山が私利私欲のため独断で全国一を名乗ったという線は薄いのかもしれない。