おれは1978年くらいに完文が大阪に残した巴会という道場を
見学したことがある。
当時おれは正統剛柔流の二級だったから技を見る目はあった。

稽古を一目見て、古い那覇手の初歩的な内容だと思った。
小手鍛えが稽古の大部分を占めていて、ガツガツと互いの腕を
ぶち当てていた。ただし、見るべきはそこだけ。
型は三戦と転掌程度。組手はやらない。

館主に組手はやらないのかと訊くと、
やっている、兵庫県連の大会にも出ているという。
しかし、兵庫県の大会で上地流など見たこともない。

当時空手の月謝は安く、伝統派で3000円くらい、極真で5000円。
上地流はこの内容で、強気に5000円を取っていた。
当然通ってくる道場生は少なく、近所の工員風情の中年小男が2,3人のみ。

youtubeにも完文時代の道場組手が上がっているが、ほとんど素人のケンカだ。