得無得無英

古来より中国では戦場で様々な武器が開発されてきたが、己の肉体こそが最強の武器と信じて鍛錬する者たちがいた。
彼らは戦場において相手の兵士を寝技に引き込んで仕留めてきており、
その寝技を見た周りの兵士たちはあまりの崇高さゆえに横から手出しをすることなど考えられなくなったという。
人々は得物を何も持たないその勇者たちを「得無得無英」と呼んで称賛したという。
現代でも最強の戦士を決める大会のことをMMAと呼ぶのはこの故事に由来する。

民明書房刊「未確認格闘技MMA」より