居合道昇段で金銭授受 八段審査で数百万円、接待も 内閣府が調査(8/17(金) 7:55配信 産経新聞)

居合道と剣道の様式など
 全日本剣道連盟(張富士夫会長、全剣連)の「居合道(いあいどう)」部門で、
最上位の八段への昇段審査などの際、審査員に現金を渡して合格させてもらう不正が横行していたことが
16日、関係者への取材で分かった。
受審者が払う現金は合計で数百万円に上ったケースもあるとみられる。
 現金を要求された男性が告発状を内閣府公益認定等委員会に提出、同委員会も事実関係の調査に乗り出した。
スポーツ界で不祥事が相次ぐ中、伝統の武道でも不公正な慣行がまかり通っていた実態が明らかになった。
 居合道部門では、初段〜八段の段位審査のほか、高段者が主に得ることができる「錬士(れんし)」「教士(きょうし)」「範士(はんし)」の3つの「称号」の審査がある。
最高位は八段範士。関係者によると、主に八段や範士への審査時に不正な金銭授受があった。
 八段は1〜2次の実技科目で審査され、審査員は1次が6人、2次が9人。
範士は実績や人格面を考慮した書面によって10人の審査員が合否を判断する。審査員はいずれも主に八段範士が務めている。
 関係者によると、受審者は、審査員も兼ねる居合道委員会の委員ら仲介者を通して大半の審査員に現金を渡し、
八段や範士を不正に得ていた。審査直前では遅いとされ、数年がかりで審査員を接待したり、手土産を渡したりもしていた。
 こうした現金や物品の授受は長年、常態化していたとみられ、産経新聞の取材に複数の関係者が関与を認めた。
かつて仲介役として受審者から現金を預かり八段に合格させようとした九州地方の男性は「事実上、金で段位や称号を買うシステムだった。実力だけで合格した人はほとんどいないのではないか」と証言した。