「太極拳の科学」陳ジュセイ著より

「日本では現在でもなお多くの古式柔術諸派が残っており、それぞれに秘伝秘技の複雑な高級技を保持している。
ところが実際の強さとくると高校の柔道選手ほどの強さもないのが多くの各宗家の実情である。なぜか。
ひとつは柔道そのものが、スポーツ化しているという一般の妄説とは逆に『講道館柔道』こそは極めて実戦的な体系を形成しており、
古流柔術特有の何の役にも立たぬ手首の関節技や、甲冑をつけねば意味のない小具足の体系を大胆に排除して
素手で現実に組み合って役に立つ実用的な技のみを集めて体系化しているからである。
よく人は柔道をスポーツ化しているといって馬鹿にしたりするが、そういう人に限って古式柔術の貧弱な当て身、蹴り技、こじつけとしか思えない関節技の馬鹿馬鹿しさについて知らない人が多い。」